かみ合わせの矯正


噛み合わせや歯並びが悪い状態のことを、「不正咬合」と言います。この不正咬合は、見た目だけの問題ではなく、お口の健康にも影響を及ぼすことをご存知ですか?今回は、問題のある噛み合わせの状態や、噛み合わせの矯正治療について解説します。

噛み合わせの矯正治療で見た目も機能も向上

矯正治療と聞くと「歯並びをきれいにする」というイメージを持つ方も多いと思いますが、実はそれだけではありません。矯正治療で歯や顎の骨に力をかけ、それらをゆっくり動かすことで、歯並びはもちろん噛み合わせを整えることができます。

噛み合わせが改善されると、以下のような効果が期待できます。

歯や顎の骨、顎関節への負担が軽減され、お口の健康を維持できる

噛む力が均等に分散され、歯が過剰にすり減るのを防げる

歯磨きがしやすくなり、虫歯・歯周病予防につながる

顎関節症のリスクが軽減される

顎関節への負担を軽減し、頭痛や肩こりを予防する

しっかり食べ物を噛めるようになり、消化器官の負担を軽減できる

発音をクリアにし、お口周りの筋肉バランスを整える

口元が美しくなり自信を持てるようになる

このように矯正治療は見た目を美しくするだけでなく、噛む機能や顎の動きを正常化し健康的な体作りをサポートします。

それでは噛み合わせが悪い状態=不正咬合には、具体的にどんなものがあるのでしょう。ここからは代表的な不正咬合「開咬」、「過蓋咬合」について解説します。

前歯が噛み合わない「開咬」とは

「開咬(かいこう)」とは、歯を噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わない状態を指します。「オーブンバイト」とも呼ばれます。

開咬

開咬の原因


開咬になる原因として、幼少期の指しゃぶりや哺乳瓶・おしゃぶりの長期的な使用、舌を前に突き出す癖(舌突出癖)などが挙げられます。また、口呼吸の習慣、成長期における顎の発育バランスの不調和によっても引き起こされることがあります。遺伝的な要因が関係することもあり、原因はひとつとは限りません。

開咬を放置するリスク


開咬をそのままにしておくと、以下のような問題が起こる可能性があります。

奥歯ばかりで噛み、奥歯に負担がかかりやすくなる

食事中にしっかり噛めず、消化器官の負担が増える

発音が不明瞭になる(サ行」や「タ行」など)

顎関節症を引き起こすリスクがある

見た目の問題がコンプレックスになる

噛み合わせが深い「過蓋咬合」とは

上の前歯が下の前歯を覆い隠している状態を「過蓋咬合」といいます。噛み合わせが深くなっていることから「ディープバイト」とも呼ばれます。

過蓋咬合

開咬の原因


過蓋咬合の原因として、顎の成長過程での上下の発育タイミングのずれや、歯の形成過程での位置異常が考えられます。

また、口腔周囲の筋肉の働きが影響していることも。成長期における姿勢の習慣、強く噛みしめる・歯ぎしりをするなどの癖なども、要因として挙げられます。

過蓋咬合を放置するリスク


過蓋咬合を放置すると、顎や歯にさまざまな影響が出る可能性があります。

前歯に過度な力がかかり、歯の磨耗や歯肉の退縮が起こる

慢性的に顎関節に負担がかかり顎関節症のリスクが高まる

頭痛や肩こりが起こりやすくなる

上の歯ぐきが見えやすくなり、コンプレックスになる

「開咬」や「過蓋咬合」を放置することで、健康面や見た目に関わるさまざまな影響が生じます。これらのリスクを回避するために、早めに矯正専門医に相談し適切な治療を受けることが大切です。

理想の噛み合わせを目指すために

不正咬合を改善するには、矯正治療が効果的です。噛み合わせの矯正治療では、正確な診断と技術が重要。当院では、最新の設備と患者様一人ひとりに適した治療法を用いて、理想的な噛み合わせを目指します。

歯科用CTを活用します


当院では、歯科用CTを導入しています。この機器を使うことで、顎骨や歯の位置を立体的に確認でき、より精密な治療計画を立てることが可能です。例えば、顎関節の状態や歯根の形状を把握することで、複雑な症例にも対応できます。

CT

iTeroを使用します


「iTero」とは、歯科用の口腔内スキャナーのこと。従来の歯型採取(歯の型取り)をせずに、小さな器機でスキャンして口腔内の状態を正確にデジタル記録することができます。

このスキャナーを活用することで、治療前のシミュレーションも可能に。また、治療の進行状態を確認することもでき、患者様と治療計画を共有しやすくなります。

アイテロ

適切な治療方法を選択します


噛み合わせの状態や年齢、ライフスタイルなどによって、最適な治療方法は異なります。当院では患者様一人ひとりに合わせて、最適な治療方法をご提案しています。具体的な治療方法は以下です。

診察風景

ワイヤー矯正

歯の表面に固定式の矯正器具を取りつけるワイヤー矯正。ブラケットとワイヤーを用いて、歯を正しい位置に動かします。

矯正と言えば、こちらのワイヤー矯正を思い浮かべる方も多いかもしれません。ワイヤー矯正の特徴は、対応可能な症例が多いこと。また歯を大きく動かす必要がある場合は、ワイヤー矯正を選択するケースも多いです。

ブラケット・ワイヤーは金属製で目につきやすいデメリットはありますが、気になる方は目立ちにくい白や透明のものを選ぶこともできます。

ワイヤー矯正

裏側矯正

裏側矯正は、その名の通り歯の裏側に矯正装置を装着する矯正方法。口を開けても装置が目立ちにくいため、外見を気にしなくて良い点がメリットです。歯磨きがしにくい、発音がしにくくなるなどのデメリットがあります。

裏側矯正

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースをつけて歯を動かす矯正治療です。大きな特徴は、目立ちにくく、取り外しできること。また、ワイヤー矯正に比べて、痛みや装置が当たって口腔内を傷つけるなどのトラブルも起こりやすいです。

全ての症例に対応できるわけではないため、お口の状態によってはマウスピース矯正を選択できないケースもあります

マウスピース矯正

当院では、それぞれの治療法の特徴を丁寧に説明し、患者様が納得した上で治療を進められるよう努めています。

理想の噛み合わせを目指すなら当院へご相談を

噛み合わせの問題は、見た目だけでなく健康にも深く関わります。わかば歯科矯正クリニックでは、患者様の症状やライフスタイルに合わせた矯正治療を心がけています。

気になる症状がありましたら、まずはお気軽に当院までご相談ください。経験豊富な歯科矯正専門医が、丁寧にカウンセリングさせていただきます。

カウンセリング